Classiques japonais avec furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans
四十
お島はまだ肩で息をしながら、やっぱり突伏していた。
「……お前のようなものに、勝手な真似をされたんじゃ、商人はとても立って行っこはありゃしないんだからね」鶴さんは、自分がこの家に対する責任や、家つきの前の内儀さんに対する立場などを説立ててから言出した。
「そんな事は、おゆうさんにでも聞いてお貰いなさい」お島は憎さげに言を返したまま、またくるりと後向になった。
四十
返したとも返ったとも決らずに、お島が時々生家や植源の方へ往ったり来たりしていた頃には、鶴さんの家も大分ばたばたになりかけていた。
北海道の女の方のそれはそれとして、以前から関係のあった下谷の女の方へ、一層熱中して来た鶴さんは、店のものの一人が所々の仕切先をごまかして、可也な穴を開けたことにすら気のつかぬほど、店を外にしていた。
「子供だけは私が家において立派に育ててやるつもりです」
鶴さんは、植源の隠居や嫁の前へ来ると、いつもお島の離縁話を持出しては、口癖のように言っていたが、お島に向ってもそれを明言した。
植源の隠居に委してある、自分の身のうえに深い不安を懐きながら、毎日々々母親に窘りづめにされていたお島は、ある朝釜の下の火を番しながら、跪坐んでいたとき言を返したのが胸にすえかねたといって、母親のために、そこへ突転されて、竃の角で脇腹を打ったのが