Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans

Aozora Bunko

三十四

お島が帳場へ坐っている時々に、優しい女の声で、鶴さんへ電話がかかって来たりしたのも、その頃であった。そんな時は、お島は店の若いもののような仮声をつかって、先の処と名を突留めようと骨を折ったが、その効がなかった。お島はその頃から、鶴さんが外へ出て何をして歩いているか、解らないと云う不安と猜疑に悩されはじめた。植源の嫁のおゆう、それから自分の姉……そんな人達の身のうえにまで思い及ばないではいられなかった。日頃口に鶴さんを讃めている女が、片端から恋の仇か何ぞであるかのように思え出して来た。姉は、お島が片づいてからも、ちょいちょい訪ねて来ては、半日も遊んでいることがあった。

「それなら、何故私をもらってくれなかったんです」姉は、鶴さんに揶揄われながら自分の様子をほめられたときに、半分は真剣らしく、半分は笑談らしく、妹のそこにあることを意にかけぬらしく、ぽっと上気したような顔をして言ったことがあったくらいであった。

お島はそれが癪にさわったといって、後で鶴さんと大喧嘩をしたほどであった。

三十四

鶴さんは、その当座外で酒など飲んで来た晩などには、時々お島が自分のところへ来るまでの、長い歳月の間のことを、根掘葉掘して聴くことに興味を感じた。