Classiques japonais avec furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans
成功するには、どうしたってヤマを張る必要があります」
お島はその時もそう言って、自分の気働きを矜ったが、何の気もなさそうに、それに腰かけている小野田の様子が、間抜らしく見えた。
がたがたと動いていたミシンの音が止ると、彼は裁板の前に坐って、縫目を熨すためにアイロンを使いはじめた。
「ふむ、莫迦だね」
お島は無性に腹立しいような気がして、腕を組みながら溜息を吐いた。
「一生職人で終る人間だね。それでも田を踏んで暮す親よりかいくらか優だろう」
「生意気を言うな。手前の親がどれだけ立派なものだ。やっぱり土弄りをして暮しているじゃないか」
「ふむ、誰がその親のところへ、籍を入れてくれろと頼みに行ったんだ。私の親父はああ見えても産れが好いんです。昔はお庄屋さまで威張っていたんだから。それだって私は親のことなんか口へ出したことはありゃしない」
「お前がまた親不孝だから、親が寄せつけないんだ。そう威張ってばかりいても得は取れない。ちっとはお辞儀をして、金を引出す算段でもした方が、に悧巧なんだ」
小野田はいつもお島に勧めているようなことを、また言出した。
「意気地のないことを言っておくれでないよ。