Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans

Aozora Bunko

、お島たち夫婦の内幕が、初め聴いたほど巧く行っていないことが、幾度も逢っているうちに、自然に彼女の口から洩聞されるので、その事も気にかかっているらしかったが、やっぱり自分の手でそれをどうしようと云う気にもなれないらしかった。

「そんな事を言わずにまあ辛抱するさ」

お島はその時の調子で、どうかすると心にもない自分の身の上談がはずんで、男に凭れかかるような姿態を見せたが、聴くだけはそれでも熱心に聴いている浜屋が、何時でもそういった風の応答ばかりして笑っているのが物足りなかった。

「あの時分とは、まるで人が変ったね」お島は男の顔を眺めながら言った。

「変ったのは私ばかりじゃないよ」お島は男がそう云って、自分の丸髷姿をでも見返しているような羞恥を感じて来た。

「月日がたつと誰でもこんなもんでしょうか」

お島は二階の六畳で疲れた体を膝掛のうえに横えている男の傍に坐って、他人行儀のような口を利いていたが、興奮の去ったあとの彼女は、長く男の傍にもいられなかった。

部屋には薄明い電気がついていた。お島はどうしても直り合うことの出来なくなったような、その時の厭な心持を想出しながら、涼気の立って来た忙しい夕暮の町を帰って来たが、気重いような心持がして、店へ入って行くのが憚られた。