Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans

Aozora Bunko

三十二

四阿屋の方には、遊覧の人の姿などが、働いている若い者に交ってちらほら見えていた。

「どうしよう、これからお前の家へまわっていると遅くなるが……」鶴さんは時計を見ながらお島に言った。「何なら一人でいっちゃどうだ」

「不可ませんよ、そんなことは……」おゆうはいれ替えて来たお茶を注ぎながら言った。

それで鶴さんはまた一緒にそこを出ることになったが、お島は何だか張合がぬけていた。

三十二

日がそろそろかげり気味であったので、このうえ二三十町もある道を歩くことが、二人には何となし気懈い仕事のように思えた。鶴さんは植源へ来るのが今日の目的で、お島の生家へ行ってみようと云う興味は、もうすっかり殺げてしまったもののように、途中で幾度となく引返しそうな様子を見せたが、お島も自分が全く嫌われていないまでも、鶴さんの気持が自分と二人ぎりの時よりも、おゆうの前に居る時の方が、話しの調子がはずむようなので、古昵みのなかを見せつけにでも連れて来られたように思われて、腹立しかった。二人は初めほど睦み合っては歩けなくなった。

「でも此処まで来て寄らないといっちゃ、義理が悪いからね」

今度はお島が立寄るまいと言出したのを、鶴さんは何処か商人風の堅いところを見せて、すっかり気が変ったように言った。