Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lisez みみずのたはこと (みみずのたわこと) de 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 265 437 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

妻は次第に彼女を妹の如く愛した。

葛城は新英州の大学で神学を修めて居た。欧米大陸の波瀾万丈沸えかえる様な思潮に心魂を震蕩された葛城は、非常の動揺と而して苦悶を感じ、大服従のあと大自由に向ってあこがれた。彼が故国の情人に寄する手紙は、其心中の千波万波を漲らして、一回は一回より激烈なるものとなった。彼はイブセンを読む可く彼女に書き送った。彼女を頭が固いと罵ったりした。而して彼女をも同じ波瀾に捲き込むべく努めた。斯等の手紙が初心な彼女を震駭憂悶せしめた状は、傍眼にも気の毒であった。彼女は従順にイブセンを読んだ。ツルゲーネフも読んだ。然し彼女は葛城が堕落に向いつゝあるものと考えた。何ともして葛城を救わねばならぬと身を藻掻いた。彼女は立っても居ても居られなくなった。而して自身亜米利加に渡って葛城を救わねばならぬと覚期した。

粕谷の夫妻は彼女を慰めて、葛城が此等の動揺は当に来る可き醗酵で、少しも懸念す可きでないと諭した。然しお馨さんの渡米には、二念なく賛同した。彼葛城の為にも、彼女自身の鍛錬の為にも、至極好い思立と看たのである。彼女は葛城の渡米当時已に自身も渡米す可く身を悶えたが、父の反対によって是非なく思い止まったのであった。