Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うえすぎけんしん

上杉謙信

吉川 英治

Lisez 上杉謙信 (うえすぎけんしん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 102 caractères · 256 écrans

Aozora Bunko

目的にしたものだった。

城頭のやぐらに登って、それを見ていた小さい人影の中には、かならず城将の高坂弾正もいたにちがいあるまい。

「――来たな」

と、見ているが、彼のほうも沈着だった。すでに甲府表へは、つなぎ烽火で報らせてある。軽々とうごくべきではない――としているようだった。

「はてな……。どこまで進む気か?」

むしろ、怪しんでいるかのごとく、城方の者は、いつまでも手をかざして、越後軍の行くてを凝視していた。

なぜならば、謙信の率いてゆく旌旗は、犀、千曲の二大河をこえ、城から約一里ほど東南の妻女山に拠ったからである。見れば、善光寺方面から真黒に流れて来たべつな一軍も、同じ地点に合し、いよいよそこを足場とするもののごとく、最後の荷駄隊も、馬背のものや牛車の物を降ろしている。そして、夕陽の赤々とうすずいて来るころには、妻女山一帯に、各隊その部署につき、旌旗はしきりに風をよび、軍馬はいななきぬいていた。

「妙なところに。……有るまじき布陣だ。あんな危地へ深入りして来るとは」

高坂弾正の兵学では、これを解釈できないものだった。敵の意をはかりかねた彼は、いよいよ城を固くして、ひたすら信玄の来るのを待つと極めていた。