Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うえすぎけんしん

上杉謙信

吉川 英治

Lisez 上杉謙信 (うえすぎけんしん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 102 caractères · 256 écrans

Aozora Bunko

眼点の人

そのお人が、ただ心なく、御坊主の勢力におそれて、その拳に頭を打たせたはずはないと、誰しもすぐ察しられて、一しお床しげに伝えたものだった。

このことは、ずっと後に、大坂城中にあった木村重成のこととされて、重成の為人を知る逸事の一つとなってしまったが、伝右衛門であったというこの方が、それよりも以前に民間では語られていたらしい。

――それはともかく。

ここ妻女山の陣中を、使者初鹿野伝右衛門は、鬼小島弥太郎の案内について、やがて謙信の座所へと行った。

謙信は、報らせによって、はや床几について待っていた。

眼点の人

使者迎えは、近衆の和田喜兵衛であった。陣幕の外に佇んで、これへ来る敵方の使者を待ちうけていた。

「……ああ、静かな」

鬼小島弥太郎やそのほかの者に導かれて、これまで来た使者の伝右衛門は、思わず足を止めて、そこらの木々の梢や禽の声など、振仰いだ。

そして、心ひそかに、

(血臭い身装を改めて来てよかった)

と思った。殺伐な風采で、いきり立って来たりなどしたら、それだけ物笑いにされたろうと思った。

それほど、辺りのたたずまいは、ひそやかであった。甲冑の影や剣槍の光は見えても、決して、一人の使客を恫喝しているものではなかった。