Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うえすぎけんしん

上杉謙信

吉川 英治

Lisez 上杉謙信 (うえすぎけんしん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 102 caractères · 256 écrans

Aozora Bunko

遠けむり

遠けむり

すめろぎの 天の日嗣と

嗣ぎてくる 君の御代御代

隠さはぬ 明き心を

すべらべに 極めつくして

仕へくる いや継ぎ継ぎに

見る人の 語りつぎてて

聞く人の 鑑にせむを

あたらしき 清きその名ぞ

おほろかに 心思ひて

むな言も 祖の名断つな

大伴の氏と名に負へる ますらをの伴

まだ九月九日、重陽の宵である。謙信の多感はなお微酔をのこしているのか、夕餉の後、ひとり唐琴を膝に乗せて、指に七絃を弾じ、微吟に万葉の古歌をうたっていた。

大伴家持が、一族の子弟に与えるため作ったものという「族に喩す歌」だった。

篝火の松薪が、パチパチと、小雨にはぜる。

濡れるほどではない。木の葉交じりに、ばらばらと降りこぼれては、その雨雲のあいだから重陽の夜の月は白々とここの山河を照らしていた。

「雁の声だな」

ふと、眉をあげる。

謙信の顔に、月が白かった。

幕の裾に遠くひかえていた老近侍と若ざむらいが、共に顔をあげた。主君の唇がむすばれ、琴がやんだからである。

「はて? ……。誰だ」

謙信はふと、本陣の上にある大きな樹木のうえに、人影がひとつ、鴉のように止まっているのを見つけて、凝視し出した。