Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うえすぎけんしん

上杉謙信

吉川 英治

Lisez 上杉謙信 (うえすぎけんしん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 102 caractères · 256 écrans

Aozora Bunko

世評是々非々

何故かは覚えず、ただ双頬にそれが濡れてくるのだった。

世評是々非々

春日山へ総引揚げの後も、謙信以下、上杉方の家中はみな、

「お味方の勝ち軍だ」

「敵方の信玄父子は傷ついた」

「甲州の一族大将は、枕をならべて討死したが、それに反して、お味方には一将の首級も敵に取られていない」

と、あくまで自軍の大捷を信じて疑わなかった。

ところが、同様にまた、武田軍のほうでも、

「甲軍大勝利」

を謳歌して熄まず、八幡原に踏みとどまって、堂々、勝鬨の式まで行って、甲府へひきあげた。

そこでこの永禄四年の川中島の大戦というものは、いったい甲越のいずれに真の勝利があったものか、武門はもちろん世上一般の論議になり、ある者は、謙信の勝ちといい、ある者は信玄の勝利といい、当時からすでに喧しい是々非々が取交わされていたらしい。

太田三楽入道は、戦国の名将として、尠なくも五指か七指のうちには数えられる兵学家の一人であるが、その人の戦評として、次のようなことばが伝えられている。

「川中島の初度の槍(明方より午前中の戦況)においては、正しく十中の八まで、謙信の勝目なりといっても誇張ではない。陣形から観ても、上杉勢の先鋒はふかく武田勢の三陣四陣までを突きくずしておる。