Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans
良平は、がやがや首をあつめている町人たちを、木偶坊のように見て、
「さあ、帰れ帰れ、いつまでいても、無駄だぞ」
町人たちは、黙ったが、動こうとはしなかった。
すると、良平が、
「おい、つまみ出せ」
門人の一人へいったので、怺えていた掛取も、もう我慢ができないといったふうに、
「旦那、それじゃ余りひどいじゃありませんか」
「なにがひどい」
「なにがって、そんな無茶な」
「だれが無茶をいった」
「つまみ出せとはなんぼなんでも」
「しからば、なぜ神妙に帰らんか、きょうは大晦日だぞ」
「ですから、手前どもだって、年の瀬が越えられるかどうかっていうところで、一生懸命にお願い申しているんで」
「ご当家もいそがしい」
「そんな断り方があるものか」
「貴様、不服か」
「勘定をお下げくださりさえすれば、なにも文句はありません」
「ちょっと来い」
「ど、どこで」
「不埒なやつだ」
「そ、そんな馬鹿な」
「馬鹿といったな」
「旦那へいったわけじゃありません、無法だといったんで」
「だまれっ」
襟がみをつかんで良平は、その男を側玄関の外へ抛り出した。そこに立っていた掛取たちは、あわてて飛び退いたが、逃げおくれて、二人ほど折り重なって仆れた。