Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans

Aozora Bunko

二

すぐ対岸の大湊へ行く船はいっぱいだった。――その頃ちょうど、巫女たちに見送られて、お通と城太郎とは五十鈴川の宇治橋を、手を振り笠を振り、たがいに別れを惜しみつつ越えていたかも知れない。

その五十鈴川の水は、大湊の口へながれ入っているが、武蔵を乗せてゆく渡舟の櫓音は、ただ無心な諧音の波を漕いで行く。

大湊からすぐ便船に乗り換えるのだった。尾張まで行くその船には、旅客が大部分で、左手に古市や山田や松坂街道の並木を見ながら、やんわりと大きな帆が風をつつんで、伊勢の海のうちでも穏やかな海岸線を悠長にすすんでいた。

陸路をとって、同じ方角へ、街道を歩いているお通や城太郎の足どりと、どっちが早く、どっちが遅いともいえない。

二

松坂まで行けば、この伊勢の出身者で、近ごろの鬼才と称われる神子上典膳のいることは分っているが、武蔵は思い止まって、津で降りる。

この津の港で降りる時に、ふと前を歩いてゆく男の腰に、二尺ほどの棒が武蔵の眼についた。

鎖が巻きつけてあるのである。鎖の先には分銅がついている。そのほかに一本の革巻の野太刀を差し、年頃四十二、三はたしかなところ。