Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans
二
その際、都合のわるいのは連れの城太郎であって、少年だからといってこの清女の寮に一緒に住むことは当然許されないので、やむなく彼は、昼間は神苑の庭掃きを命じられ、夜になると、荒木田様の薪小屋へ帰って眠っていた。
二
蕭々と、落葉樹の冬木立は、この世とも思えない、神苑のそよ風に鳴っていた。
一すじの煙が――その煙さえ何となく神代のもののように――疎林の中からあがっている。その煙の下には、竹箒を持っている城太郎の姿がすぐ聯想された。
お通は足を止めて、
(あそこで、働いている)
と思うた。そう思うだけでも、微笑みが頬へのぼって来るのである。
あの腕白が。
あの、きかん坊が。
この頃はよく素直に、自分のいうことをきき、また、遊びたい盛りを、ああやって働いてくれると思う。
パーン、パーンと木を折るような音が響いて来る。お通は、重い大小を両の手にかかえていたが、つい林の小道へ入って、
「城太さアーン」
すると、
やがて遥か彼方で、
「おおウいっ」
相変らず元気にみちた城太郎の返辞が聞え、間もあらずそれは駈けて来る跫音となって、
「お通さんか」
と、眼のまえに立った。
「まア、お掃除をしているのかと思ったら、その恰好は何ですか。