Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans

Aozora Bunko

ちょうどその時、東山の肩に、のっと大きな太陽が真っ赤な焔の環の端を見せていた。ことしの第一日の日輪だった。

「…………」

五条大橋の前に立って、武蔵は恍惚と見とれていた。あかあかと、腹の底まで陽の光が映しこむように思えた。

一年のうちの小我な狭い考えの中に湧く愚痴の虫は、この雄大な光の前に、影をひそめてただ清々しい。生きているという欣びだけでも武蔵は胸がいっぱいになった。

「しかも、おれは若い!」

五ツ切れの餅の力は、踵にまで充溢していた。彼は、踵をめぐらして、

「まだ来ていないようだな……又八は」

と、橋の上を見まわした。そしてふと、

「あ? ……」

と、呟いたが、そこに自分より先へ来て待っていたものは、又八でも他の人間でもなかった。

植田良平以下の吉岡門下が、きのうここに建てて去った例の高札である。

――場所は蓮台寺野。

――日は九日の卯の下刻

「…………」

武蔵は顔を寄せて、生々しいその新板と墨のにじみを凝視した。文字を読んでいるだけで、彼のからだは針鼠のように闘志と血に膨らんで丸くなった。

「……あ痛、ああ痛い」

武蔵は、またしても、左の眼の激痛に堪えかねて、思わず瞼へ手を当てたが、ふと俯向けた顎の下に、一本の針を見出してぎょっとした。