Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans

Aozora Bunko

眸がうるんで来て、今にも涙のこぼれそうな眼になる。

祇園藤次は、この多感な美少年の述懐を聞いても、若い彼といっしょになって、感傷を共にする気には元よりなれない。

だが、退屈に苦しんでいるよりは、ましだと考えて、

「ふム、なるほど」

熱心に聞いている顔つきを装うと、美少年は、鬱懐をもらすように、

「その時、すぐ行けばよかったのです。けれど私は周防、師は上州の山間、何百里の道です。折わるく、私の母も、その前後に歿したので、遂に、師の死に目に会えませんでした」

――船がすこし揺れだした。冬雲に陽がかくれると、海は急に灰色を呈し、時々、舷に飛沫が寒く立つ。

美少年はなお話をやめない。多感な語気をもって語る。――それから先のことを綜合すると、彼の境遇は今、故郷の周防の家屋敷をたたみ、師の甥でもあり同門の友でもある草薙天鬼という者と、どこかで落ち合おうというために、この旅行をつづけているものと見られる。

「師の自斎には、何の身寄りもありません。で、甥の天鬼には、遺産といってもわずかでしょうが、金を与え、遠く離れている私には、中条流の印可目録を遺してゆかれました。