Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans

Aozora Bunko

八十二

川西の店へ立ったのは、その晩の九時頃であった。

八十二

長い漂浪の旅から帰って来たお島たちを、思いのほか潔く受納れてくれた川西は、被服廠の仕事が出なくなったところから、その頃職人や店員の手を減して、店がめっきり寂しくなっていた。

そこへ入って行ったお島は、久しい前から、世帯崩しの年増女を勝手元に働かせて、独身で暮している川西のために、時々上さんの為るような家事向の用事に、器用ではないが、しかし活溌な働き振を見せていた。

前にいた職人が、女気のなかったこの家へ、どこからともなく連れて来て間もなく、主人との関係の怪しまれていたその年増は、渋皮の剥けた、色の浅黒い無智な顔をした小躯の女であったが、お島が住込むことになってから、一層綺麗にお化粧をして、上さん気取で長火鉢の傍に坐っていた。

始終忙しそうに、くるくる働いている川西は、夜は宵の口から二階へあがって、臥床に就いたが、朝は女がまだ深い眠にあるうちから床を離れて、人の好い口喧しい主人として、口のわるい職人や小僧たちから、蔭口を吐かれていた。

お島は女が二階から降りて来ぬ間に、手捷こくそこらを掃除したり、朝飯の支度に気を配ったりしたが、寝恍けた様な締のない笑顔をして、女が起出して来る頃には、職人たちはみんな食膳を離れて、奥の工場で彼女の噂などをしながら、仕事