Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans
百十
蓄音器に、レコードを取かえながら、薄ら眠い目をしている小野田の傍をはなれて、お島はその男と、そんな話に耽った。
百十
小野田が田舎へ立ってから間もなく、急に浜屋に逢う必要を感じて来たお島が、その男に後を頼んで、上野から山へ旅立ったのは、初夏のある日の朝であった。
病院で躯の療治をしてからのお島は、先天的に欠陥のない自分の肉体に確信が出来たと同時に、今まで小野田から受けていた圧迫の償いをどこかに求めたい願いが、彼女の頭脳に色々の好奇な期待と慾望とを湧かさしめた。いつからか朧げに抱いていた生理的精神的不満が、若いその職人のエロチックな話などから、一層誘発されずにはいなかった。
そしてそれを考えるときに、彼女はその対象として、浜屋を心に描いた。
「あの人に一度逢って来よう。そして自分の疑いを質そう」
お島はそれを思いたつと、一日も早くその男の傍へ行って見たかった。
一つはそれを避けるために田舎へ帰った小野田がいなくなってからも、まだ時々店頭へ来て暴れたり呶鳴ったりする狂女が、巣鴨の病院へ送込まれてから、お島はやっと思出の多いその山へ旅立つことができた。
全く色情狂に陥ったその女は、小野田が姿を見せなくなってからは、一層心が狂っていた。