Classiques japonais avec furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans
四十五
お前が承知しても、この私が承知できない。さあ今夜という今夜は、立派におゆうの処分をしてみせろ。それが出来ないような意気地なしなら、首でも縊って一思いに死んでしまえ」
それよりも、部屋で泣伏しているおゆうの可憐しい姿に、心の惹かるる房吉は、やがてその傍へ寄って、優しい辞をかけてやりたかった。妊娠だと云うことが、一層男の愛憐を唆った。
お島にささえられないほどの力を出して、隠居が剃刀を揮まわして、二人のなかへ割って入ったとき、おゆうは寝衣のまま、跣足で縁から外へ飛出していった。
四十五
二時過まで、植源の人達は騒いでいた。
お鈴と二人で漸と宥めて、房吉から引離して、蚊帳のなかへ納められた隠居が鎮ってからも、お島はじっとしてもいられなかった。
「どうしましょうね。大丈夫でしょうか」お島は庭の方を捜してから、これも矢張そこいらを捜しあぐねて、蚊帳の外に茫然坐っている房吉の傍へ帰って来て言った。
房吉は蒼白めた顔をして、涙含んでいた。
「大丈夫とは思うけれど、偶然とするとおゆうは帰って来ないかも知れないね。不断から善く死ぬ死ぬと言っていたから」
「そうですか」お島は仰山らしく顫え声で言った。