Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Lisez 上杉謙信 (うえすぎけんしん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 102 caractères · 256 écrans
「謙信の弾く琴を聞いていたのであろう」
「そうかも知れません」
「その臣下へ向って、謙信が、何か申したか」
「琴を弾いては、雨曇りの月を仰いで、低声に、歌を謡っているだけでした」
「陣中のさむらい共は、みな元気にみちていたようか」
「馬ばかりよく嘶いておりましただが」
「馬のことではない、士気はどう観えたか」
「よく分りましねえだ」
「兵糧は有るようか無いようか」
「ありません」
「ないか」
「ありません」
「士気の旺か否かも分らぬそちに、よく兵糧の有無が分ったな」
「足軽や侍の喰っているのを見たら、玄米ではありません、粟粥や芋粥です。それから、荷駄馬の骨が捨ててありました。馬の肉も喰べています。山中どこを見たって、豆俵も米俵もありませぬし」
「どうして無事に帰って来られたか」
「雨宮からずっと下流へ戻って、八幡原の向う側を、ぶらぶら歩いて帰って来ました」
いくら根掘り葉掘りたずねてみても、結局、こんな程度であった。
だが、それを伝え聞いた信玄は、
「それも勇士だ」
と、いった。
そして、厚く褒美をやれと命じ、その覚束ない敵状資料をつぶさに含味して、何か、彼としては充分に、得るところはあったらしい。