Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Lisez 上杉謙信 (うえすぎけんしん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 102 caractères · 256 écrans
乱れぬ一脈
乱れぬ一脈
八幡原から丹波島の曠野にかけて、夕月は出ても、鯨波の声は、なお熄まない。
あなた、こなた、鎬をけずり合う太刀、槍のひかりが、吠え合う軍隊の波間に、さながら無数の魚が跳ねているように燦くのみで、もう武者のいでたち、母衣の色、旗の影、敵味方すらもともすれば分らなかった。
高坂隊、甘利隊、小山田隊、山県隊、馬場隊、真田隊などの新手は、各所に小包囲形を作ってはその中の上杉勢を殲滅した。上杉勢のみだれは、何といっても、妻女山から転回して来たこの新鋭な甲軍の重圧にあった。
その中にあって、なお一糸みだれない上杉勢一千五百がある。小森附近から動いて徐々に引揚げて来る甘糟近江守の麾下だった。一退一退、貝をふき鳴らして、四散している味方をあつめながら、前後に側面に、当たる敵を討って、堂々、犀川まで引いて来た。
「見事な退き振りかな」
と、敵の真田、高坂なども、見送ってしまった。そして、その二隊は何思ったか、急に踵をめぐらして、海津城の方へ引揚げてしまった。
後に、甲軍側の内部で、真田と高坂の二隊の引揚げを、
(何故か)
と非難するものもあったが、信玄は、それに対し、