Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うえすぎけんしん

上杉謙信

吉川 英治

Lisez 上杉謙信 (うえすぎけんしん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 102 caractères · 256 écrans

Aozora Bunko

謙信はことばを和らげて、

「いやいや、わしこそ、思わず今宵はちと激語を吐いた。実申せば、このたびの川中島の大戦に、年来手飼の家の子郎党など、可愛ゆきもの三千余名を失うて、この謙信も人知れず、愁心癒やし難いものがある。いや、心に受くるその傷みにおいては、御許よりも、誰よりも、謙信こそはその重責と傷心に深く自らを鞭打つものだ。ましてや今宵のごとく、戦のあと、いとど寂やかに時雨るる夜などは」

と短檠の灯にじっと、眸をこらして、なおいおうとしたが、義清の惨心に思いを遣り、またあまりにいい過ぎては味もないとするように。

「……察しられい。此方の心中も」

「よくわかりました。お察しいたしまする」

「されば、たとえこの後、いよいよ戦場に屍を積み、この越後一国、夫なき妻と、父なき子らに満とうとも、何ぞ、それは一個御身のせいではない。身ひとりのためかのように気を小さく萎められるな。それよりは、其許のいのち一つも、謙信がいのち一つも、息あるうち、いかに大きく捧げ奉らんかを、朝暮に都の方へ向って念ぜられよ」

その夜のはなしはそれだけであった。けれど村上義清は、わが邸にもどってからも、終夜謙信のことばを想い、その心事を玩味してみた。