Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Lisez 上杉謙信 (うえすぎけんしん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 102 caractères · 256 écrans
程なく山上から新発田尾張守、鬼小島弥太郎などが、迎えというよりは、警固のために降りてきた。
「お目にかかろうと御意あらせられた。いざ、お越しください。御案内申す」
「大儀に存ずる」
一礼して、初鹿野伝右衛門は、ふたりの後に従った。もちろん部下も日傘も山麓に残してである。――そして単身、一歩一歩、踏み登ってゆく山道は、殆ど、上杉勢の旗と鉄刀と馬と銃と弓との中だった。
その途中、鬼小島弥太郎は、伝右衛門のそばに寄り添って、
「貴公は、それがしの顔を、覚えておいでなさるか」
と、たずねた。
伝右衛門は、微笑をふくみながら、
「あなたの顔は、なかなか忘れ難い。何といっても白あばたがよい目じるしになるしな――左様、あれはもう七、八年も前になりましょうかの」
と、いった。
「いや、七、八年ではききますまい。甲越の両軍が、まだここにまみえない以前ですから。十年にはなる」
「十年。はやいもの」
まるで久濶を叙べ合っている旧友のようだった。しかし二人の古い面識は、そんな温かいものでなく、思い出せばなかなか身の毛のよだつものだったのである。
その頃、小島弥太郎は、謙信の上洛に扈従して、京都へのぼった途中から、ふいに姿をかくした。