Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Lisez 上杉謙信 (うえすぎけんしん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 102 caractères · 256 écrans
「さかなを出せ。おい、土産はどうしたか」
一同して、責め立てると、
「さかなか」
と、弥太郎は、けろりとして、
「ここには無い」
「では、嘘か。謝れ。両手をついて、虚言を謝れ。さもなくば、腹でも切れ」
「ここに無いだけのことだ。何も切腹には及ばん」
「じゃあ、持って来い、すぐに」
「持って来てもよろしい。しかし――貴様たちこそ、言語道断だ」
「なにが言語道断だ」
「おれが酔うほどの酒もここにはありはしない。おれの携えて来るさかなとは、そんな安価なものじゃない。もっと酒を調達して来い。そうしたら持って来てやる」
「調達せんでも、酒などはまだいくらもある。汝がさかなを出さぬから控えていたのだ」
「なに、まだあるのか」
「さかなを出せ、さもなければ、両手をついて一同に謝れ」
「何の……ばかなっ。いま持って来る」
起ち上がると、ふらふら、雪の中へ出て行った。そしてまもなく、
「さあ、持って来たぞ。どうだこの肴は、天下の珍味、食ったことがあるか」
と、何やら手にぶらさげて来た物を、部屋の入口からさしあげて見せた。
「あっ……?」
そこにいた者はひと目見ると、悉く、酔をさましてしまった。