Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans

Aozora Bunko

「ここまで来れば、もう安心なものだ。夜は早目に泊って、気をつけて行くがいい」

と、いった。

かさねて、礼をのべて、別れようとすると、

「お通さん、別れるのだぜ」

三之丞は、意味ありげに、改めて彼女をじっと見た。そして、やや怨み顔に、

「ここまで来る間に、今に訊いてくれるか、今に訊いてくれるかと思っていたが、とうとう、訊いてくれないな」

「なにをですか」

「おれの姓名を」

「でも、柑子坂で聞いておりましたもの」

「おぼえているか」

「渡辺半蔵様の甥、柘植三之丞さま」

「ありがたい。恩着せがましくいうのじゃないが、いつまでも、覚えていてくれるだろうな」

「ええ、ご恩は」

「そんなことじゃない、おれがまだ独り者だということをさ。……伯父の半蔵がやかまし屋でなければ、邸へ連れて行きたいところだが……まあいい、小さな旅籠がある、そこの主人も、おれのことはよく知っているから、おれの名を告げて泊るといい。……じゃあ、おさらば」

十三

先の好意はわかるし、親切な人とも思いながら、その親切に少しも欣べないばかりか、親切を示されれば示されるほど、かえって厭わしくなる人間というものはよくある。