Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こぞうのゆめ

潤一郎ラビリンスV――少年の王国

谷崎 潤一郎

Lisez 潤一郎ラビリンスV――少年の王国 (こぞうのゆめ) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 989 caractères · 144 écrans

Aozora Bunko

だから弱虫の有田のお坊っちゃんなぞは、沼倉の天下になったのを誰よりも一番有難がって居る。―――

以上の話を、忰の啓太郎から委しく聞き取った貝島は、一層沼倉に対して興味を抱かずには居られなかった。啓太郎の言葉が偽りでないとすれば、たしかに沼倉は不良少年ではない。餓鬼大将としても頗る殊勝な嘉すべき餓鬼大将である。卑しい職工の息子ではあるけれど、或は斯う云う少年が将来ほんとうの英傑となるのかも測り難い。同級の生徒を自分の部下に従えて威張り散らすと云う事は、そう云う行為を許して置くことは多少の弊害があるにもせよ、生徒たちが甘んじて悦服して居るのなら、強いて干渉する必要もないし、干渉したところで恐らく効果がありそうにもない。いや、それよりも寧ろ沼倉の行いを褒めてやる方がいゝ。子供ながらも正義を重んじ、任侠を尚ぶ彼の気概を賞讃して、なお此の上にも生徒の人望を博するように励ましてやろう。彼の勢力を善い方へ利用して、級全体の為めになるように導いてやろう。貝島は斯う考えたので、或る日授業が終ってから、沼倉を傍へ呼んだ。

「先生がお前を呼んだのは、お前を叱る為めではない。