Classiques japonais avec furigana
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
Lisez 潤一郎ラビリンスV――少年の王国 (こぞうのゆめ) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 989 caractères · 144 écrans
(二)の八
唇が毒草の花のように紅い、煙草の葉のような皮膚の色を持った、恐ろしく背の高い蛮人である。真鍮のボタンのべたべたと附いた、サフラン色の軍服のような服を着て、真黒な濃い髪の毛を頭のまん中から分けて居る。
メリー嬢は最初に二人の黒ん坊の手を握らせた。そうして、片手を自分の腰の上にあてがい、片手を長く二人の方へさし出して“One, two, three!”と気合いをかけると、握り合った二つの手は、黒ん坊がいくら放そうともがいても放れない。
次ぎに第三の黒ん坊の両手を、後手に組ませて、又同じような気合いをかけると、その手はさながら鎖で縛られた如く、どんなに振っても暴れても解く事が出来ない。
三人の黒ん坊は、うんうんと苦しそうに呻きながら、一生懸命に魔術に反抗しようとして居る。
「そんな事なんか誰にでも出来らい! 詐欺! 大騙り!」
突然観客席の隅の方から、大きな声で罵しった者があった。
(二)の八
しかし、メリー嬢はたゞにやりと笑ったゞけで、構わずに演技を続けて行く。
今度は三人を椅子に腰かけさせて、片っ端から順々に催眠術をかける。一歩を前へ踏み出して左の手を自分の胴脇にあて、右手の親指をぐっと黒ん坊の鼻先へ突きつけたまゝ、