Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひのとびら
火の扉
岸田 国士
Lisez 火の扉 (ひのとびら) de 岸田 国士 (きしだくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 467 caractères · 257 écrans
これがほんとうの生き方だとは思えませんけれど、こゝにも人間の真実のすがたがあること、知識や道徳や趣味やをふりまわす世界にくらべて、ちつとも恥ずかしくない世界、勇気と自由との世界がこゝにあることを知りました。こんなことを申すと奥さまはおおどろきになるかも知れませんが、学校の教員室の空気よりは、このインチキ・カフエーの空気の方がずつと健康で、厳粛なところがあるように思われます。人間と人間との心のふれあいにそれが見られます。野卑な言葉や、無軌道な行動がむろんそこにはございますけれども、それはたいはいとか自暴自棄とかいう部類にぞくするとしても、決して、人間が人間でなくなつている姿ではございません。わたくしは、あの思想の皮が甲らのように厚くなり、虚栄心がこぶのようにふくらみ、保身の触角が釣竿のようにふるえているお化けの世界が、どんなに人の精神をむしばみ、笑うにも笑えないこつけいをふりまいているかを思いだしてぞつとしております。
こゝでわたくしはいくたりかのお友だちをひろいました。
その一人についてお話をすれば、ある晩ひよつこりはいつて来たお客で、もうずいぶん酔つているふうでしたが、またお酒を注文して、隅のテーブルでちびり/\飲んでいる若い男がございました。