Classiques japonais avec furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lisez 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 327 364 caractères · 638 écrans
同様に土地を売ることになった彼女の生涯もひどく数寄なものだと思われるのだった。
民子は浦和の小地主の娘として生まれ、少女時代を東京で堅い屋敷奉公に過ごし、その屋敷が時代の英傑後藤新平の家であり、目端の利くところから、主人に可愛がられ、十八までそこの奥向きの小間使として働き、やがて馬喰町のある仕舞うた家に片着いたのだった。馬喰町といっても彼女の片着いたのは士階級で、土地や家作で裕福に暮らしており、民子の良人も学校出であったところから予備少尉として軍籍にあった。そこでは本妻に子がなく、その時分にはまだそんな習慣もあって、彼は子種を取るためのお腹様の腹から産まれたのであり、本妻の子として育てられたものだったが、結婚生活の二年目に日露の戦争が起こり、彼も出征して戦死してしまった。その時民子は妊娠九カ月であり、戦死と聞くと瞬間激しい衝動にうたれてにわかに逆上し、心神を喪失して脳病院に担ぎこまれ、そこで流産したきり、三年たらずもの歳月を送り、やっと正常に還った時には、内輪であった彼女の性格も一変していた。
彼女の矜りは後藤の屋敷に愛せられていたことであり、抱えたちにもよく主人の日常を語って聞かせるのだったが、無軌道な彼女の虚栄の種子を植えつけたのもおそらく数年間の奉公に染みこんだその家庭の雰囲気であり、それが良人の