Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 130 caractères · 288 écrans

Aozora Bunko

呼んでみな」

ガラッ八は飛んで行って、お勝手から若い娘を一人つれて来ました。せいぜい十八九、身扮はひどく粗末ですが、透き徹るような感じのする美しさです。

「お前は、お照とか言うんだね」

「え」

お照は平次の前へ崩折れました。華奢で品の良い娘ですが、前掛けを外して濡れた手を拭くと――その手だけが、顔にも身体にも似ず、痛々しく水仕事に荒れて、妙に八五郎の感傷をそそります。

「房州とか言ったな」

「え」

「親は房州にいるのか」

「いえ、江戸に出ております」

「どこだ。――なんと言う」

「向柳原の彦兵衛店で、背負商いの小間物屋をしている宇太八というのが私の父親で」

答えのハッキリしているのが、八五郎の好感を倍にしました。第一その声の美しさ。

「いつから奉公しているんだ」

「この春から」

「死んだお嬢さんはどんな人だった」

「良い方でした」

調子の冷たさ、恐らく蓮っ葉で罪のない嘘くらいは平気でついた美しい主人に対して、死者に対する好意以上のものは持っていなかったでしょう。

「先刻から見ていると、よく主人の世話をしているようだが」

蔭になり日向になり、深い悲しみに打ちひしがれる主人六兵衛の世話を焼いているのは、店中でこの娘たった一人だったことは、平次が早くも見ていたのです。