Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 130 caractères · 288 écrans

Aozora Bunko

三

「親分」

「娘はその土竈の横を覗いたんだ」

「え?」

「その土竈は年代ものらしいが、横の方に壊れて繕った跡があるだろう。そこの板が取外しが出来るようになっている様子で、なんか手摺れの跡がある――その中に思いも寄らぬ大金が隠してないとも限るまい、それとも連判状かな」

平次はそう言って、面白そうに笑うのです。

「ま、親分」

お秀の口も完全に封じられましたが、その時、

「お秀、なにをつまらねえ事を言うんだ。親分が御迷惑なさるじゃないか、――どうも相済みません。気ばかり無闇に強くなって、とんだ女でございます」

簾の影から首だけ出した父親の留助は、臆病らしくピョコリとお辞儀をしました。五十前後の脂の乗った大親爺で、娘のお秀と違って、なんとなく気が弱そうです。

三

「あれは本当ですかえ、親分」

両国の帰り、宵闇の柳原をブラリブラリと歩きながら八五郎はたまり兼ねたように訊くのです。

「何が?」

「親分の見立てですよ、――親の大金を持出した息子だの、身投げの場所を捜す女房だの――」

「嘘だよ」

平次の応えの頼りなさ。

「ヘエ――」

「みんな嘘だよ、本当の事はたった一つもないのさ」

「ヘエ――あれがねえ。