Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 130 caractères · 288 écrans

Aozora Bunko

三間に溢れる男女は、一斉に平次の方をふり返りました。深川の御用聞尾張屋の専吉をつれて来ると言って飛び出した鳶頭が、名高い銭形の平次をつれて来たのを見て、一同ホッとした様子です。

「島吉兄哥は?」

平次はその中から、若い島吉を物色しました。

「奥にいますよ」

案内役に立ったのは、三文字屋の縁つづきで、手代をしている幾松でした。二十四五の小意気な男で柄の小さい、ニコニコしたのが人に好感を持たせます。

平次は黙って次の間に入って行きました。

「おや、銭形の親分」

島吉は顔を挙げました。主人久兵衛の無残な死骸を前にして、番頭の市助と何やら話し込んでいたのです。

「永代で鳶頭に逢って聴いたが――、たいへんだね。目星は?」

「判らない。――怪しい奴が多過ぎる」

島吉は首を振りました。

ともかく久兵衛の死骸を見せて貰うと、薄い寝巻を着たまま、背後から左肩胛骨の下を、脇差か何かで一と突きにやられたもので、多分声も立てずに死んだことでしょう。

「死骸は縁側にあったが、部屋の中には床が敷いてあった。――隠居家で、ここには一両と纏まった金を置かないから、泥棒でないことも確かだ」