Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
お福が江戸一番の蓮っ葉娘で、大勢の馬鹿な男に騒がれているのを幸い、親分に頼んで身代りの聟を仕立てて貰い、俺はそっとここへ来て、お福を殺す工夫をした。大身代を継ぐ花聟が、金沢町小町と言われた嫁を、婚礼の晩に殺すはずはないと世間では思うだろう」
錦太郎の言葉は次第にか細い述懐になって、ともすれば途切れます。
「それから?」
平次はもう一度静かに促しました。
「お福さえいなきゃ、俺は勝手だ。親父の遺言状が出ても、三千両の身上を受取るだけで、何の怖いこともない」
「…………」
「細工が過ぎて親分に見現わされた、――口惜しいが仕方がない。サア、縛ってくれ、磔刑にでも火焙りにでもしてくれ、――その代り、万一俺の母親が餓死するようなことがあったら、俺は死んだってお前達を安穏にはおかないぞ」
紋付姿の錦太郎が、身を顫わせ、畳を叩いてこう言うのです。
「嘘だ嘘だ」
抗弁もしどろもどろに、多賀屋勘兵衛は立ったり坐ったりしております。
誰ももう、口を利く者もありません。
平次は一座の空気を慎重に味わい尽しました。善悪邪正が、鏡に映るように判って行くような気がします。
「八」
「ヘエ――」