Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans

Aozora Bunko

四

それから口の小さい素焼の徳利へへちまの水を詰めさしたり、白粉と紅とを取揃えたり、お鳥目を出そうとして帯の間へ手をやった時は、先ほどから我慢していた恐ろしい眠気が急に襲って来て、性も他愛もなく美しい島田髷がガックリ前へ傾きました。

「徳どんは外を見張れ、お前は手を貸せ」

大番頭が立ち上がって指図をすると、馴れた様子で、バタバタと不思議な作業が始まります。

「へッ、こいつは全く掘り出し物だ」

「シッ」

二人の若い手代に抱き上げられたお静は、死んだもののようになって、赤い裳と白い脛とが、ダラリと下にこぼれます。

音羽の通りはしばらく絶えて、大日坂の下には、宵闇に光る眼、銭形の平次は全く気が気じゃありません。

四

この時はじめて平次は、近頃江戸中で評判になった美しい娘が、頻繁に行方不明になることに思い当りました――芝伊皿子の荒物屋の娘お夏、下谷竹町の酒屋の妹おえん、麻布笄町で御家人の娘お幸――、数えてみると、この秋になってからでも三人ほど姿を隠しております。それも選り抜きの美人ばかり、書置きも何にもないから、まるで神隠しに逢ったようなものですが、それが早くて三日目、遅くとも七日目には、二た目とは見られぬ惨殺死体となって、川の中、林の奥、どうかすると往来の真ん中に捨ててあるという始末です。