Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
六
平次はとうとうそんな立入ったことまで言う気持になっておりました。お澪はそれほど人の心をひく娘だったのです。
石沢閑斎の門を出ると、
「イヤな坊主だね、親分」
ガラッ八は大きな声でこんな事を言います。
「その代り、いい娘を持っているじゃないか」
「へッ、――あっしもそれを言いたかったんで」
「そんな事はどうでもいい、松永町の伊勢屋へ行って、隠居の容体と、昨夜閑斎が行った時の様子を訊いてくれ」
「ヘエ――」
「それからもう一つ、娘からは訊けなかったが、あの親父が、娘をどこへ奉公にやるつもりか、それを訊き出すんだ、こいつはむつかしいかも知れないよ」
「なアに、わけはありません」
「じゃ頼むぜ、他にも気の付いたことがあったら訊いてくれ」
「親分は?」
「俺は魚屋の伝吉と、蝮の銅六にもう一度逢ってみる」
二人はそこで別れました。
六
平次は佐久間町の三軒長屋に引返しました。
「銭形の、見当は付いたかい」
三輪の万七はまだこの辺に頑張って、いやがらせな顔をひけらかしております。
「いや、少しも」
「銅六は一番臭いが、癪にさわることに一番後で帰って来ている。すると、一番先に帰った伝吉が怪しいと思うがどうだろう、出刃庖丁の事も、考えようでは伝吉の下手人という証拠になるが――」