Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
三
「フーム」
「当てになったものじゃありませんや。すると、お曾与を殺しそうなのは、勘三郎と、その妹のお袖と、師匠のお舟と――」
「勘三郎とお袖でなきゃ、お舟に決ったようなものじゃないか」
と平次。
「ところが、お舟も昨夜は一と足も外へ出ねえ」
「はてな?」
「お舟のところに居候している和助――従兄とか何とかいう、不景気な野郎を親分は知りませんか」
「知らないよ」
「三十がらみの青瓢箪野郎で、大きな声で物も言えない、物の汚点か、影のような野郎ですよ、――その和助が言うんだ、お舟さんは昨夜一と足も外へ出ねえ――と」
「勘三郎とお袖は兄妹だろう」
「ヘエ――」
「お舟と和助も、従兄妹同士か何かだ。二人ずつ相談して口を合せたら、どんな嘘でも通るじゃないか」
「だから親分行ってみて下さい、あっしじゃ、この上の見当が付かねえ」
八五郎は正直に投げ出してしまったのです。
三
平次は大きな舌打をして、十手を懐にねじ込みました。鼻がよくて、いろいろの消息を嗅ぎ出すことにかけては、天稟の妙を得たガラッ八ですが、理詰めに手繰って、下手人を挙げることとなると、まるでだらしがありません。
まず一番に小柳町の伊丹屋へ行ってみると、本人の駒次郎以外は、お曾与を嫁に迎えることに賛成なのは一人もありません。