Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
三
「…………」
「山脇玄内はたぶん一と晩金蔵の中に泊って、幾万両とも知れぬ小判と一夜を明かした事だろう。翌る朝、係り役人が入って来て、千両箱二つ紛失したのに仰天している時、山脇玄内は誰憚らず金蔵を立出で、大手を振って表門から出たのだ」
「千両箱は?」
平次は釣られるように膝をすすめました。
「山脇玄内でも、二つの千両箱を両脇に抱えて、朝の表門をノコノコと出られる道理はない」
「…………」
あまりの明察に、平次はあっけに取られて、この貧弱な忍術使いを見やるばかりです。
「後日折を見て取出すつもりで、屋敷の中に隠してあるよ。少し八卦を置いてみようか、――さよう、――まず御金蔵のすぐ傍だ、土に縁があって、石に縁があって、水に縁があるかな。――お前は大急ぎで取って返し、三人の小役人を安心させるがいい、腹を切ると痛いぞとな」
「先生」
平次はさすがに仰天しましたが、いま尾張屋敷から出て来たことまで言い当てられたのです。しかし最早ぐずぐずしている時ではありません。挨拶もそこそこ、一気に屋敷へ取って返しました。
今にも降り出しそうな村雨模様の空合いです。
三
「二千両の行方が判りました」