Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
突如、平次に呼ばれてガラッ八は入って来ました。
「この家は出口出口を塞いでいるだろうな」
「ヘエ――、下っ引が五六十人、十重二十重に囲んでいますよ」
「よしよし」
八五郎の応えの常識以上に大袈裟なのを、平次は笑いもせずにうなずきました。
「何をやらかすんで、親分」
「俺の指した野郎を縛れ」
「ヘエ――」
「それ」
平次の指は、ピタリと、仲人宝屋祐左衛門の胸を指したのです。
「御用ッ」
「わッ、御勘弁、私は、私は何にも知りません」
あわてた宝屋、畳の上を額で泳ぐような恰好になるのを、ガラッ八は襟髪を取ってピタリと引据えました。
「野郎ッ、神妙にせいッ」
「申します、申します、みんな申上げてしまいます、――多賀屋さんには数々のお世話になっているので、断り切れなかったのでございます。――仲屋さんの先代の遺言状は、すぐこの場で錦太郎さんにお渡し申します、――御勘弁を、お願い」
宝屋祐左衛門は、懐中から紙入を取出して、ガラッ八の腕力の下に、何やらモゾモゾ続けております。
「多賀屋さん、この祝言は取止めにしても異存はあるまいな」
平次は勘兵衛の方へピタリと向きました。
「それはもう、親分さん、娘の命を狙う者を養子になどは――」