Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
逢いますか、親分」
ガラッ八はモモンガアみたいな手付きをして見せます。
「御武家は苦手だが、折角こんな所へ来て下さったんだ、とにかくお目に掛るとしよう。こちらへ丁寧にお通し申すんだ」
「お家の重宝友切丸か何か紛失したんだろう、むつかしい顔をしているぜ、親分」
「無駄を言うな」
「ヘエ――」
ガラッ八はようやく客を導いて来ました。前ぶれ通り、存分に野暮ったい四十五六の武家、羽織の紐を観世縒で括って、山の入った袴、折目高の羽織が、少し羊羹色になっていようという、典型的な御用人です。
「これは、高名なる平次殿でござるか。拙者は石川孫三郎と申す、以後御見識りおきを願いたい」
肩肘を張って、真四角にお辞儀をします。
「ヘエ、恐れ入ります。私は平次でございます。どうぞ、お手をおあげ下さいまし」
平次はすっかり恐縮してしまいました。どうも一番あつかいにくい種類のお客様です。
「早速ながら、用件を申上げるが、実は平次殿、お家にとって容易ならぬ事が起ったのじゃ。何とか力を貸しては下さるまいかの」
武家は折入った姿ですが、平次は何かしら釈然としないものがあります。
「どのような事か存じませんが、私は町方の御用を承っているもので、御歴々の御屋敷の中に起ったことへは、口をきくわけには参りませんが、ヘエ」