Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans

Aozora Bunko

その時万七の注意は銅六にばかり向いたので、伝吉を突っ込んで調べる気にはならなかった様子ですが、もし、銅六というものがなかったら、伝吉は免れようがなかったことでしょう。

「魚屋の流し元に血があっても、それだけでは縛るわけに行くまい、――それより大事なのは、伝吉は友達の祝言で遅くなったと言っているが、その友達はどこの誰で、祝言の席に何刻まで居たか、それが解りさえすればいい、周助や銅六より先に帰ったか帰らないか、――俺はそれが知りたいよ」

銭形平次のさり気ない言葉が、ひどく万七を刺戟した様子で、

「それじゃ、銭形の、俺は一と廻りして来るぜ」

コソコソと万七は姿を消しました。たぶん伝吉の友達の家へ行って、祝言の席に列なった人から、伝吉の帰った時刻を聞き出すつもりでしょう。

その後ろ姿を見送った平次は、一番奥の蝮の銅六の家を覗きました。

「居るかい、銅六」

「誰だ、人を呼捨てなんかにしやがって」

ヌッと出した鼻の先へ、平次の顔が近々と笑います。

「大層威勢がいいんだね、銅六親分」

「ああ銭形の、からかっちゃいけません、これでも神妙に控えているんですぜ」

「よしよし、お前の神妙を疑っているわけじゃない、ところで、――本当の事を言って貰いたいんだがな、銅六」