Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans

Aozora Bunko

「ヘエ――」

「御苦労だな」

平次は言い捨てて元の縁側に帰りました。

「おや?」

見ると、そこにも泥の足跡が――よく拭き込んだ縁の板を薄く染めているではありませんか。足跡を追って行くと、真っ直ぐに花嫁の部屋に入って行きます。

念の為にツイ側の上便所の扉をあけると、二本灯心の薄明りで、――草履が一足。手に取り上げて裏返すと、生湿りの苔臭い土が一面に付いているではありませんか。

「親分」

不意にガラッ八が顔を出しました。

「何だ、八?」

「刃物を見付けました」

手拭に包んで来たのは、匕首が一口、切っ先が血に染んで、少し刃こぼれがあります。

「どこにあったんだ」

「あっしが居た部屋の花瓶の中ですよ」

「誰が見付けたんだ」

「錦太郎が気が付いたんで――」

「馬鹿ッ、――その錦太郎を見張っていろと言ったじゃないか」

平次の声は急に激しくなりました。

「だって、親分」

「何がだってだ、――刃物なんざ、どこにあったって構うものか、錦太郎に間違いがあったらどうするつもりだ」

「ヘエ――」

ガラッ八は不平らしく引っ返しました。しばらくその後ろ姿を見送っていた平次、何を思い付いたか、猛然として後を追います。