Classiques japonais avec furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lisez 食道楽 (くいどうらく) de 村井 弦斎 (むらいげんさい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 435 caractères · 329 écrans
桃も長く持たせようとするには毎度お話申す通り少しも水気を入てはいけません。皮を剥いて小さく切ってお砂糖を振かけて三、四時間置きますとお砂糖が溶けるに随って桃の液を呼び出して液が沢山出来ます。それをそっくり鍋へ入れて弱い火で気長に煮るのですがアクが浮いて来ますから幾度もそれを匙で掬い取らないといけません。桃にも水蜜桃といって色の白くって甘いのがあり、扁桃といって平たくって美味いのがあり、天津桃といって大きくって紅いのがあります。これは生で美味しくありませんが今のようにして煮ると色が紅くって味も良くなります。その外支那で出来る蟠桃といって頭の方が凹凸していて大層大きな桃があります。西王母の画に頭の凹凸した桃の描てあるは、その蟠桃の極く上等なのです。支那の内地にはその種類に大層大きくって美味しくってそれこそ東方朔が盗んで逃げそうなのもあるそうです。何にしろ桃なんぞは煮ると美味しく戴けます。日本の桃でも煮れば結構なのがあります。煮た桃の液を先日お教え申した通りゼラチンで寄せると色々なお菓子が出来ます。それから梨も砂糖ばかりで煮てはいけませんが赤葡萄酒で煮ると大層結構です。