Classiques japonais avec furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans
途中で逢うおりなどには、双方でお辞儀ぐらいはしたが、お島自身は彼について深く考えて見たこともなかった。そして青柳とおとらとの間に、その話の出るとき毎時避けるようにしていた。
ある時そんな事については、から薄ぼんやりなお花の手を通して、綺麗な横封に入った手紙を受取ったが、洋紙にペンで書いた細い文字が、何を書いてあるのかお花にはよくも解らなかったが、双方の家庭に対する不満らしいことの意味が、お島にもぼんやり頭脳に入った。お島のそんな家庭に縛られている不幸に同情しているような心持も、微に受取れたが、お島は何だか厭味なような、擽ったいような気がして、後で揉くしゃにして棄てしまった。その事を、多少は誇りたい心で、おとらに話すと、おとらも笑っていた。
「あれも妙な男さ。養子なんかに行くのは厭だといって置きながら、そんな物をくれるなんて、厭だね」
お島は養父母が、すっかり作に取決めていることを感づいてから、仕事も手につかないほど不快を感じて来た。おとらは不機嫌なお島の顔を見ると、お島が七つのとき初めて、人につれられて貰われて来た時の惨なさまを掘返して聞せた。
「あの時お前のお父さんは、お前の遣場に困って、阿母さんへの面あてに川へでも棄ててしまおうかと思ったくらいだったと云う話だよ。