Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志

吉川 英治

Lisez 三国志 (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 161 356 caractères · 323 écrans

Aozora Bunko

「思うつぼに」と、ほくそ笑んで、一時三方へ散らした各部隊と聯絡をとり、日と刻を諜し合わせて、袁紹の本陣へ急迫した。

黄河は逆巻き、大山は崩れ、ふたたび天地開闢前の晦冥がきたかと思われた。袁紹は甲を着るいとまもなく、単衣帛髪のまま馬に飛び乗って逃げた。

あとには、ただ一人、嫡子の袁譚がついて行ったのみである。

それと知って、

「われぞ、手擒に!」

と張遼、許、徐晃、于禁などの輩が争って追いかけたが、黄河の支流で見失ってしまった。

一すじや二すじの河流なら見当もつくが、広茫の大野に、沼やら湖やら、またそれをつなぐ無数の流れやらあって、どっちへ渡って行ったか――水に惑わされてしまったからであった。

なお諸所を捜索中、捕虜とした一将校の自白によると、

「嫡子袁譚のほかに、約八百ほどの旗下の将士がついて、北方の沼を逃げ渡られた」

と、いうことだった。

そのうちに集結の角笛が聞えたので、一同むなしく引揚げた。この日の戦果は予想外に大きかった。敵の遺棄死体は八万と数えられ、袁紹の本陣付近から彼の捨てて行った食料、重大の図書、金銀絹帛の類などぞくぞく発見されたし、そのほか分捕りの武器馬匹など莫大な額にのぼった。