Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志

吉川 英治

Lisez 三国志 (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 161 356 caractères · 323 écrans

Aozora Bunko

……云いのこしたいことがある」

夫人は、慟哭して、涙に沈んでいるばかりだった。典医や侍臣たちは、

「すこし、ご容子が……」と、すぐ城中へ報らせた。

張昭以下、譜代の重臣や大将たちが、ぞくぞくと集まった。

孫策は、牀に起き直ろうとしたが、人々が強いてとめた。わりあいに彼の面色は平静であったし、眸も澄んでいた。

「水をくれい」と求めて、唇の渇きをうるおしてから、静かに彼はいいだした。

「いまわが中国は、大きな変革期にのぞんでいる。後漢の朝はすでに咲いて凋落におののく花にも似ている。黒風濁流は大陸をうずまき、群雄いまなおその土に処を得ず、天下はいよいよ分れ争うであろう。……ときに、わが呉は三江の要害にめぐまれ、居ながらにして、諸州の動向と成敗を見るに充分である。とはいえ、地の利天産にたのむなかれ。……あくまで国を保つものは人である。汝ら、われ亡きあとは、わが弟を扶け、ゆめ怠るな」

そういって、細い手を、わずかにあげて、

「弟、弟……孫権はいるか」と見まわした。

「はい、はい、孫権はここにおりまする」

群臣のあいだから、あわれにもまだ年若い人の低い声がした。

三

それは弟の孫権だった。