Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うえすぎけんしん

上杉謙信

吉川 英治

Lisez 上杉謙信 (うえすぎけんしん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 102 caractères · 256 écrans

Aozora Bunko

文意には、

春秋幾星霜、君と我とは、兵馬を以て呼び、兵馬を以て応う。争う具は、弓箭にして、戦う心は、すなわち所存の相違にあり。我の理想するところ、君の理想にあらず、君の望むところ、我の望みに非ず、すなわち対峙連年、天下の野を借りて、戦陣を布く。

さりと雖も、兵家の戦に、何ぞ米塩を用いんや。米塩ひとり君が舐むるにあらず、百姓の生資たるもの、百姓は是、国の大みたから、また攻伐にかかわりなし。駿相二氏の下策、賤陋の心事、たれか憎まざるものやある。

昨今、わが領の商賈を通じ、貴国に塩を給すの意、ほかあるなし。希う安んじてこれを取れ。なお君の麾下をして更に士馬精鋭たらしめよ。戦陣ふたたび相まみえん。

「…………」

信玄は再読三読した。眉の霧は霽れている。しかし疑いもなく彼は謙信にたいして心服を抱いた。彼のうるわしい心事に照らされて信玄の心も美化されていた。何か潔い清らかな呼吸を感じるだけだった。勝敗の念も超えていた。

ていねいに書簡をたたんで、押しいただいて傍らの手筥へ納めたが、このときも信玄は、一言の感動も洩らさなかった。いうべきことばもなかったと思われる。