Classiques japonais avec furigana
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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
Lisez 地名の研究 (ちめいのけんきゅう) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 308 caractères · 347 écrans
越後の蒲原地方などのように、無理をすれば水田も広く作ることができる。ただだいたいの趨勢から考えて、新時代の我々のためには潟は決して快適の地ではない。我々は平忠常でないから別にこんな要害の地を求める必要がないのである。ただまるまる海であるよりははるかに利用に便だということを、人口の溢れる現代としては大いに珍重し、さらにまた水蒸気の変化に基く風光の美しさをもって、この辺の生活の楽しみとすべきである。
さて飜って東方の海岸にこの種の潟の少ない理由を考えてみるに、第一には潟の下地をなすべき入江または澗が少ない。備前の児島湾や土佐の浦の内のごとき海曲でも底からあせて行く傾きはあるがまだ口を塞ぐまでの砂が寄らぬ。また駿河もしくは上総の海岸のように砂嘴の十分に発達した地方でも潟を構成する前に水が排出せられてしまう。上総の海岸などについていうと、成東から大多喜までの丘陵地の外に、これとほぼ平行して幾筋かの低い砂丘と湿地とが波をなしているのは、右の経過を記述するもので、いったん砂が押し寄せて川口が屈曲するとその次の大水はこれを突き破って直通し、旧河道を廃物としかつ幾分かその水を排水し、さらにその外に出てまた屈曲し始めるのである。