Classiques japonais avec furigana
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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
Lisez 地名の研究 (ちめいのけんきゅう) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 308 caractères · 347 écrans
そうしてその中には前に例示するごとく、五十年前のものもあればまた千年来のものもあり、さらにその中間の各段階を代表しているものもあるのである。いわゆる人と天然との交渉をこれ以上綿密に、記録しているものは他にはないわけである。これを利用もせずに郷土の過去を説こうとする人が、今でも多いということは私には何とも合点が行かない。
ただしこの資料の利用のためには、若干の予備作業の必要であることは事実だが、それを面倒くさがって突き飛ばそうとするような学者が、今の世の中にそう多くあろうとは思われない。これは何でも方法に関する意見が一定せぬのである。だからまずこの点を討究しておく必要があると思う。私の勧説してみたいのは、精細なる限地的の調査に伴のうて、ぜひとも遠近の各地方の事実を比較することである。最近の雑誌類では、人がわが居村の地理を詳しく知ることをただちに郷土研究と名づけようとするらしく見えるが、それでは郷土研究は単に在来の地理学の別名に過ぎぬことになりはせぬだろうか。地理でなくとも学問は進めば必ず細かくなるが、ことに地理学は土地の上の事実を知るのだから、郷土研究と言わなくともそうするのが当り前である。