Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans
「大神宮さまのお守人じゃ」
と、馬子は、鞴のそばの壁へ倚りかかって、いいあんばいに温もりながら、もう半分眠っていながらいう。
(伊勢神宮の神官か、そこへ行ったのならすぐ分る、よし……)
勿論その夜は、筵のうえにごろ寝である、それも、鍛冶の小僧が起きて、土間の戸をあけるともう寝ていられない。
「馬子、ことのついでに、山田までのせてゆくか」
「山田へ」
馬子は眼をみはる。
だが、きのうの分の駄賃は無事にもらったので、その方の不安はない、行こうということになって今日もまた、武蔵を馬の背にのせて、松坂へ出、やがて伊勢大神宮への何里とつづく参道並木を暮れ方に見た。
冬であるにしても、街道の茶屋はひどくさびれていた。並木の大木が、風雨に仆れたまま、幾つも横たわっていた。旅客の影も馬の鈴も稀れである。
禰宜の荒木田家へ、武蔵は山田の旅籠から問いあわせてみた。――宍戸梅軒という者が逗留しているか否かを。
すると、荒木田家の執事からの返辞には、そういう者は泊っていない、何かの間ちがいであろう――とある。
武蔵は、失望と同時に、足の傷の痛みを思い出した。釘を踏んだ傷口はおとといころよりひどく腫れている。