Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans
絶対に勝つ信条をつかむことである。
道は遠くない――
ここから京都まで、四十里とはあるまい、すこし踵を飛ばせば、三日を費やさずに行き着くことが出来る――だが、心の備えは、幾日かかったら出来るというものではない。
すでに名古屋から吉岡方へ、決戦状は出してあるが、その後で、武蔵は、
(肚はできているか。きっと勝ちきることができるか)
と、自分で自分に向って糺してみると、遺憾ながら、心の隅に一脈の脆い層を認めないわけに行かなかった。
それはなにかというと、やはり自身の未熟を自身知っていることだった。彼は、自分がまだ決して達人の域にも名人の境地にも到っていない、未完成の人間であることをよく知っている。
奥蔵院の日観にあい、柳生石舟斎を思い、また、沢庵坊主の出来ていることを考えても――いかに自分の価値を高く置こうとしても、
(未熟だ)
と、自分の粗質をばらばらに解して、その弱点や虚を多分に見出さずにいられない。
そういう未熟な――まだ出来あがっていない自分を押しすすめて行って、必殺の士を占めている多数の敵の中へ入ってゆくのだ。しかも勝とうというのだ。――兵法者たるものの根本的な本義として、いかによく戦っても、戦っただけではよい兵法者とはいわれない、飽くまで勝つ! 飽くまで天寿を全うするまで勝ち抜いて、この世に見事に生命