Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans

Aozora Bunko

「くれる?」

「ただではくれないかも知れぬ。その時にはまた、考えがあるから、おまえは声を出さずに、そこらの藪の中へ沈んでおれ」

城太郎がかくれると、その男は坂の下へすたすたと行ってしまうのだ。あんなことをいって、人を欣ばせておきながら、逃げてしまうのではなかろうか。城太郎は、不安になって、藪の中から首を出した。

坂のうえから人声が聞えてきたので、彼はあわてて首をひっ込めた。――お通の声が耳へひびいて来る。両手をうしろに縛られて、三人の野武士にかこまれながら歩いて来る彼女のすがたも、やがて眼のまえに見えたのだった。

「何をキョロキョロしているのだ、はやく歩け」

「歩かねえかっ」

一人の男が、お通の肩を突いて罵った。お通は坂道を斜めによろめいて、

「わたしの連れをさがしているんです。あの子は、どうしたろ。城太さアン」

「やかましい」

お通の白い素足から血が出ていた。城太郎は、ここにいると呶鳴って飛び出そうと思ったが、その時、先刻の五倍子染の侍が、こんどは編笠をどこかへ拾てて、二十六、七歳かと見える色の浅黒い面ざしに、わき眼もふらない血相をたたえて、

「たいへんだっ――」